風俗店のボーイは、未経験から始められて高収入も期待できる仕事です。主な仕事内容は在籍する女の子の管理やお客さんの対応ですが、新人のボーイがいきなり女の子の管理や接客を任されることはほとんどありません。働き始めは簡単な雑務からスタートしますが、その中に客引きやスカウトがあるのではないかという不安を持つ人もいるでしょう。

当記事では、風俗店のボーイがスカウトや客引きをする必要性や、風俗のスカウト・客引き行為の違法性について詳しく解説します。風俗のボーイの仕事に興味がある人はぜひご覧ください。

風俗におけるスカウトとは、街で女の子に声をかけ、風俗店に斡旋することです。

風俗のスカウトマンがもらえる給料は会社によって異なりますが、女の子が稼いだ額の10%〜20%がスカウトバックとして支払われることが一般的です。歩合制の側面が強い給料システムのため、たくさんの女の子を紹介すれば、給料だけでなく組織内での役職も上がります。幹部クラスにもなれば部下が稼いだ売上の一部が自分の給料になるので、努力次第では普通では稼げないような高収入が得られるのもスカウトの特徴です。

新人スカウトマンの場合は、東京の歌舞伎町や大阪の難波と言った繁華街で女の子に声をかけ、紹介実績を積み重ねるところからスタートします。実績を重ねると、幹部候補やスカウト会社の代表取締役に昇格し、部下のマネジメントや集金管理、新規店舗の開拓などが主な仕事になります。

風俗店のボーイの仕事は、店舗の掃除やお客さんの案内、女性キャストの管理がメインになります。健全な風俗店の場合、スカウトや客引きはボーイの仕事に含まれません。

現在では、迷惑防止条例によって風俗店への客引きが禁止されています。東京都の迷惑防止条例では、悪質な客引きだけでなく、卑猥な内容のビラを配る行為も取り締まりの対象になります。また、女の子を風俗店にスカウトすることも、売春防止法や職業安定法に違反する可能性が高く、非常にリスクのある行為です。スカウトマンが警察に捕まれば、雇っていた風俗店も摘発されるため、健全な営業をしている風俗店ではボーイにスカウトや客引きはさせないでしょう。

しかし、スカウトや客引きをボーイにやらせる風俗店がいまだに存在していることも事実です。風俗店のボーイとして働き始め、お店からスカウトや客引きをするように強要された場合は、できるだけ早めにお店を辞めたほうがよいでしょう。

風俗店員がスカウトや客引きをした場合、以下の3つの法律や条例に違反する可能性があります。

ここでは、上記の3つの法律や条例について紹介します。

迷惑防止条例では、繁華街などで通行人を風俗店に勧誘する客引き行為を規制しています。そもそも、迷惑防止条例とは、公共の治安を守るために各都道府県が制定した条例です。

繁華街では条例違反を摘発するため、私服警官による捜査が定期的に行われています。迷惑防止条例に違反している行為を警察に目撃されると、現行犯逮捕されることがあります。また、通報された場合は捜査が開始されることになりますが、通報によって警察に客引き行為を問いただされた場合、言い逃れすることはほぼ不可能と言ってよいでしょう。

迷惑防止条例に違反する客引き行為は、以下の4つが挙げられます。

罰則内容は各都道府県によって異なりますが、東京都の場合、50万円以下の罰金または勾留もしくは科料が課せられます。

出典：東京都例規集データベース「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」

売春防止法とは、売春を助長する行為または売春行為を禁止する法律です。売春とは、金銭を受け取って不特定多数の相手と性行為をすることです。売春防止法では、売春を助長する行為について以下のように定めています。

引用：e-Gov法令検索「売春防止法」/引用日2023/03/17

風俗店は女の子がお客さんに性的サービスを提供するため、「売春を助長するような行為」にあたると考えられます。売春防止法違反によって逮捕された場合は、2年以下の懲役または5万円以下の罰金を課せられることを覚えておきましょう。

なお、風俗店が売春防止法で警察に摘発された際、お客さんやサービスを提供した女の子が逮捕される可能性は低いです。あくまで逮捕されるのは経営者や客引きまたはスカウトを行ったボーイのため、風俗店のボーイとして働く場合、お店からの指示であってもスカウトをすることは辞めましょう。

性風俗店でのサービス内容は、職業安定法による「公衆道徳上有害な業種」になるとして過去の判例で確立しており、風俗店へのスカウトは禁止行為として認められています。有害な業種とは、社会一般で通じている道徳観念に反している業務のことを指し、性的サービスを提供する風俗店も対象です。

出典：e-Gov法令検索「職業安定法」

実際に、職業安定法に違反したことでスカウトグループが逮捕された事例を紹介します。

引用：読売新聞「名古屋最大のスカウトグループ、リーダー格ら逮捕…売り上げ１５％が報酬・収益は月３千万円」/引用日2023/03/17

上記の事件で逮捕されたのは風俗店の経営者やオーナーではなく、スカウトを行った人たちです。職業安定法上、風俗店の経営をすること自体は問題ではありませんが、風俗店に女の子を紹介するスカウト行為は禁止されていることを覚えておきましょう。

風俗の求人に応募する際は、次の3つのポイントを確認しましょう。

以下では、それぞれのポイントの詳細について紹介します。

ポータルサイトの上位にランキングされている風俗店は優良店の可能性が高く、ボーイとしても安心して働けるでしょう。ポータルサイト上位の風俗店は女の子やスタッフの接客レベルが高く、安定して売り上げを上げている傾向にあるので、スカウトや客引きなどを行う必要がありません。

ポータルサイトの上位にランキングされるには、高い評価を得るために質のよいサービスを提供する必要があります。真面目な営業を心がけている優良店では、スタッフにスカウトや客引きをさせることはほとんどないでしょう。

公式ホームページがあまり更新されていない風俗店は、繁盛していない可能性があるので注意が必要です。特に、女の子の出勤情報は必ずチェックしておきましょう。女の子の予定が予約で一杯の場合や新人が多い場合は、お店が繁盛しており、質のよいサービスを提供している可能性が高いと言えます。

一方で、繁盛していない風俗店では、スタッフにスカウトや客引きなどの違法行為を強要する可能性があります。そのため、求人へ応募する際は事前に公式ホームページの更新頻度を確認するのがおすすめです。

優良店では、お客さんに満足してもらうために、男性スタッフへの教育が徹底されています。一方で、客引きやスカウトをボーイに行わせているようなお店では、スタッフの態度が悪いことが多く、サービスの質も低くなりやすい傾向です。

応募したいお店が健全な営業をしているかを確認するために、一度お店を利用してスタッフの対応をチェックするのがよいでしょう。また、お店に行くことが厳しい場合は一度お店に電話をかけ、電話対応の様子を確かめてみることをおすすめします。

風俗店への客引き行為は、風営法によって禁止されています。また、女の子を風俗店へ斡旋することは売春防止法や職業安定法に違反する可能性が高い行為です。そのため、健全な営業を行っている風俗店であればボーイにスカウトや客引きを命じることはないでしょう。

風俗店のボーイとして働く場合は、研修制度やサポートが充実している優良店を選ぶのがおすすめです。ポータルサイトのランキングや公式サイトの更新頻度などを確認し、スカウトや客引きをする必要がない優良店で働きましょう。